2025日米芸術家交換プログラム2025日米芸術家交換プログラム

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イベントレポート

2025.11.28

8/14 U.S.-JAPAN ART NIGHT 第一部 @国際文化会館

映像作家ケイトリン・リベロとキラ・松原=デインは、詩的なストーリーテリングと手描きアニメーションを組み合わせた独自の手法で、多くのドキュメンタリー作品を共同制作してきました。今回、日米芸術家交換プログラムで取り組んだプロジェクト「72 Microseasons」は、日本の伝統的な暦法である「二十四節気七十二候」と、奈良・吉野町千股で暮らす大家族の日々の記録をもとに、季節の移ろいを描いたアニメーション・ドキュメンタリーです。8月14日に国際文化会館で行われたトークイベントでは、キラが現地で、ケイトリンがリモートで参加し、このプロジェクトについて語りました。

今でこそあまり知られていませんが、二十四節気七十二候は日本文化の形成に大きな影響を与えてきました。二人は吉野町に滞在し、自然とともに生きる家族との共同生活や対話を通してその営みを学び、24章からなるアニメーション作品を制作しました。

今回の発表では、アニメーションを映像として上映するのではなく、物理的に空間の中で共有できる「フェナキストスコープ」用いたインスタレーションを制作しました。受動的に大量の映像が消費される現代において、あえて“手で回して見る”というアナログな行為を取り入れることで、自然とのつながりや季節の循環を身体的に感じられる試みとなっています。

また、ニューヨーク在住のケイトリンは、都会を離れて自然に囲まれた暮らしを送る中で感覚が研ぎ澄まされ、冬の厳しさや春のあたたかさをより強く実感したと語りました。

現在、作品を映像として楽しめる動画版も制作中とのことです。
続報をぜひお待ちください!