
Looking, After the Fire - Tower of Resilience
Looking, After the Fire〜再生の火の見櫓
このプロジェクトでは、山火事の後の風景に設置し、失われたものへの記念碑となり、生態系再生の壮大なプロセスを眺める見晴らし台となる新しい火の見櫓を、建築ドローイングや3Dレンダリング、模型といった形に起こして提案します。 私達は火事の後の生を意識して初めて、火とともに生きることが可能になるのです。
アーティスト達は「火災後の風景」をテーマに、火災によってもたらされた荒廃と再生に焦点を当てながら映画、文学、日米の建築環境における工芸品など、文化の違いを超えた表象を探求します。これらの描写は、ニヒリズムと未来への楽観主義との間の不安定なバランスを明らかにするものです。恐怖は美と並び立ち、ありふれた物体は焦土と化した風景の中で精神的な意義を獲得します。この気候に即したネイティブなものを生み出し、種、生態系、文化を調整するのが「再生」です。
文化的、生態学的アイデンティティは、大火の後でも移植できるのか。
もしそうだとしたら、何が残るのか。
緊急性が高まっている今、未来の再構築、回復、そして生息への道筋を示すことができるのか。
これらの問いかけに対し、日米における火との文化的な関係を検証することでますます脆弱になる土地と私達とのつながりを見直し、変化していく環境への対処法について検討します。
Artists
スピーゲル&メグミ・アイハラ

建築、ランドスケープ、アーバンデザインをトランスディシプリナリーに繋ぐデザイン事務所「スピーゲル・アイハラ・ワークショップ(SAW)」主宰。優れたデザインが持つ変革力、建物とコンテクストの切っても切れない関係、そしてコミュニティの発展において建築環境が重要な役割を果たすことを信念としている。アメリカン・アカデミー2025年度ローマ賞フェロー。
ランドスケープ・アーキテクトのメグミ・アイハラは、米国内外のあらゆる規模のランドスケープのデザインと建設において重要な役割を果たしてきた。SAWでの活動と指導は、ランドスケープと建築の区別を曖昧にすることに重きを置いている。ハーバード大学デザイン大学院でMLAを取得し、カリフォルニアとハワイのランドスケープアーキテクトのライセンスを持つ。
建築家であり教育者のダン・スピーゲルは、SAWの建築実務を主導するかたわら、カリフォルニア大学バークレー校環境デザイン学部で大学院建築学科の上級スタジオを指導している。その仕事はスケールや時間軸を超え、コンセプチュアルなものと実践的なものを絡めながら、公共政策事業に携わった経験を生かし、コミュニティ発展のためのツールとしてのデザインに取り組んでいる。2018年、ニューヨーク建築連盟からリーグ賞を受賞。ハーバード大学デザイン大学院でMArchを取得し、カリフォルニア州とハワイ州の建築家ライセンスを持つ。
Collaborator
手嶋保

東京を拠点に活動する建築家、教育者。手嶋保建築事務所の代表として、場所の景観や歴史的文脈に配慮した合理的で美しい建築を生み出している。東京理科大学建築学科講師。